S31Zをチューニング.サーキット. フルチューンエンジン. コンパチミッション. キャブ調整. ウェーバー. ソレックス. エンドレスブレーキ.s31z.ハコスカ.gtr.富士スピードウェイ.L3.1.
富士スピードウェイへの挑戦
その1 コンセプト・現状の状態・ミッションコンパチcの開発・レーサースビルシュタ・osツイン
その2 MK63・リチウムイオンバッテリー・魔界エンジン・ピロアッパー・プレコンベンチェリー開発
その3 コンパチCMT変更カメアリクロス 5速ギヤ比0.75→0.83へ
その4 魔界エンジンME1に換装 クランクラダー開発 リヤサスメンテ デフ 3.9スバル化 レカロシート
その5 エンドレスΦ300モノ4キャリパー ミッションオイルクーラー取り付け フロントサスピロー化
その6 スイッチ集中コントロール デフクーラー取り付け エンジンをME5フルカウンター・クランクラダー
その7 リヤゲートをFRP+アクリル アルミラジエター+電動ファン 燃料ラインの見直し
その8 点火系強化
2021年2月20日
富士の長ーいメインストレートで210Kmまでスピードを上げて第一コーナーに入るときのブレーキングですがどうも恐怖感がぬぐえない今日この頃で、フロントブレーキについては純正ノーマル2ポッドのフェロードパッドから始まり、MK63にしてパットもスポーツパッドにして、ローターもソリッドから、メーカー不明のベンチローター、そして現在のカメアリφ275フローティングベンチローターに変遷してきています。パットはプロミュー・カメアリ・エンドレスといろいろ変換してきていますが、10周目あたりからのフェード感とジャダーがとても気になるのです。
と言ってもそんなにブレーキを奥まで残して酷使してそうなっているのではなく、ブレーキ効かなかったたらどうしようと怖いのでコーナーのはるか手前からのブレーキングしかできないですけど。
今回は思い切ってブレーキ対策です。
MK63 そのデザインと言い、機能と言い申し分ないのですが富士SWでは相当な軽量車でないと、長時間の周回はリスキーです。
ノーマル車で一般的な走りでは、デザインが旧車にマッチしていて、効きも十分なので人気が有りますね。重量は4.5Kgでした。
今回準備したブレーキはエンドレスのMONO4
というジェラルミン鍛造一体の高剛性の4ポットキャリパーです。
15インチ用なのですが、ものすごく大きく感じますが重量はジェラルミンなので2.5Kgしかありません。(パット込)
鍛造の造形なので肉抜き軽量化した形状が鍛造しやすい形状におのずから決まってしまうので、私から見ても必然性のある自然な形状に見えます。
鍛造で作ることの意味はエンジンの鍛造ピストンと同じ理屈で、素材の内部で鍛流線がつながっていて亀裂などが生じにくい・鋳物スが発生しにくい=強度が高い
モナカの合わせ構造でないのでボルト締結構造でなくボルトの伸びによるキャリパーの開きがほとんど無い
等の長所が多々あります。
キャリパーの大きさがこれくらい違います。
そしてローター
左がエンドレス
右が今まで使っていたカメアリ製
直径がカメアリ275mmから φ300と
15インチホイールで入るギリギリのサイズです。
このように見るとその大きさの差は明確で1.5倍ぐらいになった感じがします。
重さ的にはやはり今までの4.5kgから6.5kgと2kg/片側重くなり、合計4kg重くなりますがキャリパーが合計で4kg軽くなっているのでトータルは同じになっています。
この重量=体積がブレーキング時の発熱の吸収に非常に重要になってくるらしいです。
取り付けた状態
ホイールが15インチなので旧車でも違和感の少ないバランスだと思います。
キャリパーのカラーは鍛造モノブロックの場合この色でしか製造できないようでこの色となります。あまり目立たない色ですが私的にはこの方が好みです。
キャリパーとホイールとの隙間は2mmくらいとすれすれでバランスウェイトの貼り付け位置によっては干渉が心配なほどですが、今回は一発で手つかずでOKでした。
2021年3月20日
富士スピードウェイエンドレスお客様感謝デー
エンドレスブレーキを装着してちょうどエンドレス走行会ですので参加して、エンドレスブレーキの効果を見てみます。
左側のが私のS31Z
右側は私がサーキットの狼さんと言っているS30Z
こちらは ミッションは71BコンパチC Ω13 OSクロス
デフはR2004PLSD 3.7ギヤ比
ドライブシャフトフルオーバーホール
いずれも私がお手伝いしたところです。
旧車走行会のように見ますが実際は旧車はほぼこの3台で、あとはR35GTRからBRZ、ロードスター、インプWRC、外車勢ポルシェなど総勢200台くらいかな。
びっくりなのはアタッククラスで車種が分からないくらいモディファイされたレース仕様車が出てきますがそのラップタイムは 1分38秒 前後と恐るべきタイム。
富士スピードウェイ走行動画です。左上のステーは上側に付けたカメラの支柱ですが映りこんでしまいました。
撮影と編集はこのところサーキットでご一緒する画像編集の達人にやっていただきました。
この動画はこの時の2回目の走行枠の画像でラップタイムが最高2分17秒となっていますが、
1回目の走行枠では下記の通り2分13秒が出ていました。
そして今回の私のラップタイムはというと、とうとう 2分13秒 と15秒台を切るところまで来ました。
その要因はやはりブレーキの強化によるところが大きいのは間違いのないところでしょう。
どんな所からでも安心してブレーキが踏めるというところから、走り方まで大胆にできるようになり、今回はかなりオーバーアクションでリヤ側を振り出す走り方に替えていますのでそこも影響が有ったと思います。
何はともあれ、15秒切り 当初から他との競争ではないと唱えつつもやはりタイムアップするのは達成感が半端ないですので、人間の欲望はさらにむくむくと沸き上がり 10秒の壁がチラチラと目の前をよぎるのです。
次はどこイジロウ。
2021年4月30日
ミッションオイルクーラーの取り付け
だんだん富士スピードウェイでのラップタイムが上がるにつ入れてミッションオイル温度、デフオイル温度ともに上昇してきます。私はそれぞれ専用温度計を取り付けて室内でモニターしていますのでタイムアップにつれて温度がどんどん上昇してゆくのが分かります。ミッション温度は130度、デフオイル温度はさらに高く140度近くになります。もっと早い人はこれらは150度くらいまでになる様です。
さすがに71Cのダブルシンクロのコンパチミッションといえどもオイルを失ってしまうとシフトは素早くは出来なくなってきますので、ミッションオイルクーラーを設置します。
ミッションクーラーは床下の狭いところに付ける場合はかなりコンパクトなコアが必要ですが、その中でも効率が良く信頼感のあるこのセトラブの185×100というコアを使います。
コアの両サイドに取り付けステーを作ります。コアへの振動を抑えるため間にゴム緩衝材を挟んで作っています。材質はステインレスです。
コアを吊り下げるステーです。同じくステインレス材ですが、作業のしやすさを考えると普通の鉄材でも良かったかも知れません。
ステーに取り付けました。
横から見るとこんな感じ
取り付け位置は上下2段で調整できるようにして、
取り付け角度も変更できるようにして
床下での冷却風の取り込みと地面との干渉を避けたぎりぎりの位置に設定できるようにします。
前から見るとこんな感じです。
ミッションメンバーを加工してこのようなレイアウトになります。ミッションメンバーはゴムのインシュレーターを廃止してリジット化していますが、この様にしますとトンネルが補強されて少しは車体剛性が上がるかもしれません。そもそもミッションマウントの所でゴムマウントされているのにさらにメンバーまでゴムマウントすることもないような気がするんですが。でもここだけ剛性上げると他に影響がある可能性もありますけど。
車体の下でモゾモゾホース取り回しやら部品配置をやりくりするのは大変なので車体外であらかじめセミアッセンブリーしています。したがって画像のミッションは直接は関係なくただのマネキンです。
配管やレイアウトが相当入り組んでいるのが分かると思うのですが、このようにしないと車体下の狭いトンネルの中で太い排気管を避けながら取り付けようとするとこのようになりました。
ミッションドレンボルトからオイルを吸い込み黒い色のオイルフィルターを通してから半周回してオイルポンプに入りオイルポンプからまた半周回してセトラブのオイルクーラーに入り、オイルクーラーから出た後はミッションのオイル注入口からミッション内へ戻る経路となります。従いましてミッション側は追加工は不要で取り付けできます。
ミッションドレンから直接オイルポンプにつないでオイル吸い上げればもっと簡潔なホース取り回しとなりますが、オイルフィルターを高価なオイルポンプ手前に入れる必要からこのようになります。
オイルポンプがミッションメンバーの取り付けボルトと共締めのステーで吊り下げられていますが、富士の岡田さんのを参考にしました。意外とオイルポンプの取り付け位置は限られてしまいます。
実際に車体に取り付けた状態です。どこもかしこも数ミリしか隙間の無いギリギリの状態です。排気管が太いのでミッションクーラーコアも追いやられて、このように全体的に右寄りにオフセットしています。
本当にぎりぎりで有ることがこの画像でよくわかります。多少は干渉音が出るかもしれません。
2021年9月16日
ブレーキを大幅に大きく強化したのでフルブレーキング時にタイヤがグラッとするような動きが感じられるようになりましたので、フロントサス周りをピロー化することになします。
ロアアームとコンプレッションロッド(テンションは引張側なのでs30zの場合こう言うべき?)をピロー化します。どちらもフロントサスが動くときの支点になりますのでどちらも数ミリ単位で撓んだだけでタイヤには大きな動きとなって表れるはずです。
フロントロアアームのピロー化ではほぼ100%と言っていいくらい途中で切り張りしてロッドエンド式の丸いピローでネジが付いているタイプを使っていると思うのですが、私はそれとは異なる選択でやります。
このようにゴムブッシュの代わりにピローブロックを埋め込む改造となります。
このやり方だとアームの延長調整はできませんが、私は最初からここでの延長調整はしないつもりで行きます。車高調を使ってない理由も同じなんですが、なるべく余分なものは付けないでシンプルにしたいのです。この方法だと外観的にも全く改造とは思えないオリジナルの形状そのままです。
取り付けました。
こちらのコンプレッションロッドも取り付け。
こちらは調整式ですが、どこかは
調整できるところを残しておかないとアライメントが設定できませんので調整式を採用。
私がこれを選定するときに気を付けたことはなるべくピロー=関節がボディーの取り付け面に近くなるようになることです。自分でもだいぶこの部分の設計を考えたのですが、結局この製品がかなり私の考えに近いのでこれで行くことにします。
ロアアームのゴムブッシュを観察したのですがこのようにひび割れが入って限界に近い状態でした。
このようなゴムブッシュによるサスペンション機構は現在でもほとんどの量産車も同様な作りだと思うんですが、フロントサスが上下ストロークするときにこの支点の丸い筒はボディーにネジでリジット固定なので間のゴムがひねられることでストロークを吸収しています。これによりフロントロアアームの複雑な動きを滑り軸受を用いることなくなんとなくいなしていると共に変な振動を車体に伝えない働きもしているのですが、おどろくほどアバウトな作りだとは思いませんか。
その作りからしてこのゴムブッシュはもちろん消耗品と考えなければなりませんから、走行キロ数により必ず交換が必要なパーツですね。
おまけにスタビライザーの串だんごもピロー化します。これは私が設計製作した試作品で、前後共に付けられます。形がちょっと荒いですがもっときれいな形にはできます。これもシンプルに発生する荷重を素直に受け止める構造を狙いました。高さの制約があるので思ったよりは作るのが難しいです。これだけでもハンドルを切った時の車体の動きが引き締まった感じがしました。