2014年5月30日
オーバーヒートが止まらない240ZG
この240ZGなんですが、サーキットで会ったことがきっかけで知り合いになり、住所が同じ静岡市内で15分しか離れていない場所で有ることがわかり、それ以来イベントで会ったりして声かけ合うようになった人です。オーナーはもう一台ショートノーズも持っています。この240ZGの方なんですがもう10年来オーバーヒートが止まらないで困っているとのことで今回預かることになりました。
そういえば ロマンティックが止まらない という一発屋のヒット曲があったなーと思い出しました。
エンジンはL24でキャブはソレックス44貴重!ミッションは71Cデフは3.9 ワタナベの超深リムにSタイヤ引っ張り オーバーフェンダーなど240ZGの めざす姿をしています。
エンジンはボアアップ、面研圧縮アップ、ハイカムのセミチューンで調子は悪くなく高回転も良く回るが、3000RPM以上で走るとオーバーヒートしてきてしまいには100度を超えるとのこと。
今までやってきた対策
・サーモスタットを外した
・ウォーターポンプを鋳物タイプからプレス羽タイプに交換
・ラジエターをアルミ3層大容量に交換
・電動ファン2機がけにした
これでもヒートは治らず
・エンジン自体の問題かと思い、シリンダーボアアップを兼ねてシリンダーライナーチェック
これでも治らず、早10年が経ったとの事です。
エンジン高回転時にヒートすることからエンジンの発熱量が異常に大きいのではというのがオーナーの感想で、あと残るはシリンダーヘッドだけなのでそこを重点的に見て欲しいというオーナーの依頼です。
早速秘密のテストコースで試乗してみましたが、平地を3000RPM以下で流しているときは75度~80度で普通ですが、登りのワインディングで3000~5000RPMで走ると5分ぐらいで温度が90度まで上がり、そのままさらに95度まで上がり現象は確認できました。
エンジン回転下げたり、下り坂になると途端にエンジン温度は元の75度近辺に戻ります。
サーモスタットケースを開けてみましたが確かにサーモスタットは外してあり、ヘッド側もそれほど錆びてはいないようで冷却水の動きも問題ない様です。
オーナーの話からほんとに後はヘッドしかない感じですが、ヘッドを外すのは厄介だし、ヘッドがどうなるとヒートするかいまいち整理が付きません。ヘッドの水路が詰まるとヒートしそうだなとは直感的には想像できるのですがなんか引っ掛かるものがあるのです。
で、先ず疑ったのが水温計で、水温計はブルドン管タイプに替えられていますがこれが本当に正確なのか?というのは私は非接触の赤外線方式の電子温度計を良く使うのですが、メーター指示で90度の時、手持ち温度計でラジエター液温は75度で15度ほど差が見られたのです。エンジンシリンダー付近も75度くらいでした。つまり、水温計がずれているのではという推理です。で、水温計を手持ちの大森メーターをゲリラ付けして確認したのですが、状態は同じでした。ということは、水温計がずれている確率は少ない、ということです。
振り出しに戻りましたが、やはりヘッド内のみすごく温度が高く、それを冷やしきれないという状態ですね。
次に考えたことは、確かにアルミ3層ラジエターで性能は良さそうですが、実際にはそんなに冷却出来ていないのではという疑いです。アルミは軽いので運動性能には貢献しますが、胴に比べると熱伝導率が良くないようですので冷却能力不足ではという推理です。(でも、初めは銅ラジエターでだめだったから交換したんだろうけど・・・。)
で、ラジエターを純正の3層タイプに交換しました。同時に電動ファンもある車種の純正品に交換していきます。私のワインレッドのS31Zと全く同じ仕様で作りました。
この電動ファンは1機がけですが、内部のコイルが2重になっているらしく低速、高速の2段階切り替えができます。そこで、低速はラジエター温度をアジャスタブルサーモスイッチで拾い作動させ、さらにタコアシサイドでもう一か所温度検知して高速を作動させます。こうすることでスイッチの故障のリカバリーが出来ますし、電気の無駄も防げます。
で、肝心のオーバーヒートですがこの仕様でも症状はほとんど変わりません。
やっぱーエンジンヘッドかなー・・・・。
まだ諦めませんというか、なにかひっかかるものがあります。私の目はエンジンヘッドでは無いのではと言っています。頭はほとんどエンジンヘッドだと考え続けていますが・・・。
ここで目先を変えて他の方面からアプローチします。
核心では無いかもしれないが、やっておいた方が良いだろうことを試してみます。
240ZGはただでさえフロント開口部が狭いですが、その上にさらにこの様にオイルクーラーとホーンでフタをしている感じで、これはあまり良くありません。
ここはこんな風にオイルクーラーを目いっぱい左側に移動して、ホーンについては仮に水平に取りつけ直して行きます。
上から見るとこんな感じでだいぶラジエターの開口面が大きくなってきました。
その上さらにその前にはナンバープレートでふたをしていますので、開口部の半分ぐらいは塞がれている状態です。
ナンバープレートはこの様にステーを作ってさらにローダウンして全面開口部を
広げます。
でこの状態で試走してみましたが、全く変化なし。
だめか―
訂正ナンバープレートについてはローダウンだと突起物に当たりそうなので、取り外してボンネット先端に両メンテープで仮止めしてトライしています。ローダウンの状態では試してはいません。
そしてこの部分もかなり気になるのですが、クランクプーリーがシングルに替えてありますがプーリー径が小さくなっています。
ノーマルと比較すると左のシングルプーリーは100mmに対してノーマルは160mm有りますので、大まかにはウオーターポンプの回転数は60%に低下することになります。
この製品としてはしっかりした出来ですのでこのプーリー径も実験して決めていると思いますので問題ないとは思うのですが、この車の現状からするとウオーターポンプの回転数低下はオーバーヒートに対してうまくは無いです。
で、交換したのですがこのオルタネーターもシングルプーリーとセットの様でこちらも交換が必要でした。またウオーターポンププーリーもセットです。つまりすべてノーマルに戻してみたのですが結果変化なし。
うーん わからん。今回はかなり期待したのに・・・。
そして今度はこの部分に着目です。サーモスタットハウジングですが水温計センサーが一番底に付いているタイプでエキゾーストフランジのすぐ上に位置しています。
エキゾーストフランジで下から炙られて温度が上がっているのではという推理ですね。
水温計の上がり方がものすごく唐突なので違和感がありました。オーバーヒートって普通じわじわと上がってくるものだと思うのですがこの車の場合5分間全開しただけで95度に達してしまいます。
このすぐ下にエキゾーストフランジがあるわけです。
これをこういうタイプに変更します。ハウジングのかなり上の方に水温計センサーが位置します。
こんどはサーモスタットも71度ローテンプタイプを取りつけてしまいます。かなり自信あったので詰めに入ろうとしています。
結果、ほとんど変化なし。この後さらにサーモスタットハウジングの底面にヒートインシュレーター自作して取りつけたのですが、やはりほとんど変化なし。若干ましになったかなという程度です。
うーん やっぱり残るはエンジンそのものか。
ウオーターポンプは交換しているということなので羽がちぎれてるなんてことないと思うし・・・。
もうエンジンそのものしか原因がないかなと諦めかけてヘッドカバーを開けるところまで行きましたが、ヘッドボルトの確認とタペットクリアランスの確認をしてまた閉じてしまいました。エンジン開けてみて何もなければ大きな回り道をすることになります。
そこでさらに有ることをやって通常走行で75度~80度 登攀全開走行で80度~85度に改善することができました。何をやったのかは個々の個体差もあるので公開することは控えますが、明らかに効果がありました。今までやったこととの相乗効果も有ったかもしれないので、今までの対策もそのままにしておきます。
これでオーバーヒートが止まらない240ZGも本格的な夏を前に安心して走れるようになりました。同じような苦労をしている240ZGの方がいましたらご相談に乗れると思いますのでコンタクトしてみてください。