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71BコンパチC Ωバージョンは71Bミッションの中身を71系最終バージョンの71Cに入れ替えて性能回復を図るバージョンです。Ωバージョンは純正でも存在しない4速まで強烈なシンクロのかかるダブルシンクロとするバージョンです。バージョンとしてΩ、α、β、γ各バージョン×クロス組バージョンが有ります。
2023年11月27日
71BコンパチC Ω57クロス
同時に R37デフ R180 OSスーパーロック組
ドライブシャフト2本
福井の方からオーダーいただきました。
駆動系一式という感じです。
素材を分解してゆきます。
中身はポルシェシンクロで、プロペラシャフトはスプライン差し込みタイプでした。
デフはR180Kマーク付きでリングギヤ内径115のタイプのはずです。OSスーパーロックを発注するため分解して仕様を確認します。
37/9ですのでデフ減速比は4.111です。
部品が集まってきたので組付けに入っています。
亀有クロスギヤ組となります。
メインシャフトは新品を使います。右側の箱はメインインプット新品です。
1-2速のパーツです。
シンクロやニードルベアリングはもちろん新品を使います。
こちらは3速用のパーツです。ダブルシンクロです。
1-3速まで組みました。亀有クロスの部分です。
ミッションの要となるメインインプットギヤセットです。新品を使います。
新品在庫
美しい部品です。
これをΩバージョン化するためにバラバラにしてゆき、改造します。
メインインプットを取り付けました。
5速-バックの組付けです。
5速は71C標準の0.75ギヤ比からよりスポーツ志向で0.83ギヤ比に変更してゆきます。ギヤセットは新品を使用。カメアリクロスで1-4速までをクロスさせ、これで5速も4速に近くするのでギヤ時が非常にコンパクトになります。またギヤとしてもこれで1速から5速までカウンター含めすべて新品になったことになります。
M38ナットはサイドロック加工がお約束です。
シフト関係を組みました。
この前に精度確認しましたが
1ST 2ND 3RD 5TH
エンドプレイ
0.35 0.17 0.10 ーーー 0.25
バックラッシュ
0.15 0.15 0.25 ーーー 0.06
3速のバックラッシュが少し大きめですが、カメアリクロスの場合こういう傾向になることが多いですし、規格内ですので問題ありません。
71Bケースに組みました。今回はケースが比較的きれいなのでブラスト加工は無しの選択でした。
2023年12月4日
R180デフ R37ーOSスーパーロック
同じオーナー様に依頼されたデフ(ドライブシャフトまで)について引き続き取り掛かります。
OSスーパーロック組にしてゆきます。
これからばらして現状把握してゆきますが、アッという事が起こります。啞然
現状のデフ刃当たりはかなり内側トー辺りでNG範囲に入っています。これでは本当はシム調整が必然の状態です。
逆転側も連動しているのでこのように外側ヒールあたりになっています。
どうもこのフロントコンパニオンを手で回した感触がおかしいのです。回し始めにものすごく大きな引っ掛かりを感じ、回りだすと普通にスルスル回ります。ほとんどの使用済みのデフはこのフロントフランジに回転抵抗が無くスルスル(これも良くないけど)で有る場合が多いので、このようなのは初めてです。
フロントテーパーベアリング
横スジがいっぱいあります。
もうかじりだしているレベルです。
特に内側の部分はかなり摩耗しています。
このカジリが有る状態で交換しないでピニオン締めこんだので変なことになっているんだと思います。
分解の画像が手順と前後しますが、ここにボールベアリングが有りますが・・・・。
向こうから光を当ててみますとこんな状態です。
ケースに対して5mm以上隙間が見えています。
これでは全くピニオンシャフトの支えになっていません。テーパーベアリングが効くので回転は一応できますが、これではシャフト先端がぶれるので非常にまずいです。
左がいままでついていたベアリング6306です。
内径は合っていますが外径は正しいいベアリングとは比べるまでもなく小さいです。
これだと今までついていたベアリングとの違いに必ず気づくはずだし、打ち込み時点でもスカなので気づくはずなんだけど・・・。
唖然
ピニオンの首元はかなり焼き付き気味でしたがベアリング(ピニオンナットかも)が緩んだ証拠ですが今回はベアリングはしっかり固定していたので、以前の傷なのかもしれません。
今回はOS技研のスーパーロックロックLSDで組みなおします。
OSスーパーロックスペックSです。
リングギヤとサイドベアリングを取り付けました。
ボルトはフランジ付きの新品ボルト使用
サイドフランジです。
しかしここも少し問題が・・・。
以前にやったときに上手く入らなかったのか無理やり叩いてかじった痕が有ります。全周で3か所くらいありました。
私のやったことではないので念の為記録します。
さて、一式組み込んで・・・・
どうだっ・・・!
残念・・・刃当たりが全くダメです。
又初めからやり直しとなりますが、
デフの場合この繰り返しとなりますので、デフのオーバーホールといっても平均3回くらいは全バラします。
さて、2回目
これもダメですヒール側に寄りすぎていますので、これだと異常なうなり音が出たりします。
やり直しィー
こんな感じで組んでありますが、これから3回目の全バラです。
サイドフランジを外してデフ玉を取り出しますが、ケースに対してギリギリなので知恵の輪のようにしながら抜き取ります。
リングギヤの方向け具合だけでなく、回転方向でリングギヤボルトがどの位置にあるか、歯の谷がどの位置にあるかなどで全く抜けなくなってしまいます。特にリングギヤの歯数により少しずつ外径が異なるので、今回の様な4.111ギヤは苦労します。
3回目のデフ玉抜き取りです。
この後ピニオンも抜き取り、ピニオンの裏にあるシムを交換しますが、この時当然テーパーベアリングリヤを抜くのですが、これをうまく抜かないとベアリングの保持器が変形してベアリングがオシャカになります。
ピニオンベアリングは毎回プレスで抜く必要が有り、また取り付け時もプレスで押す必要が有るのでデフを抱えて作業台とプレスの間を行ったり来たりします。
今度はこのくらいになりました。
少しヒールよりですが一応合格ラインとしました。
逆転側はほぼど真ん中
この後また分解して最終組付けとなります。
問題のベアリングを正規品で打ち込み
オイルシール打ち込み
サイドフランジにオイルシール打ち込み
完成しました。
この後回転試験して確認します。
回転試験をしています。状態は良かったです。振動も少なく回転はスムーズでした。
引き続きドライブシャフトのオーバーホールです。
塗装が終わっていますので組付けに入ります。
こんな感じで組付けていきます。
完成です。
私は自分がオーバーホールしたパーツにはこの様なロゴを刻印しています。
もちろんミッションやエンジンにもロゴが刻印してあり、ミッションやエンジンの場合は識別通しナンバーを一緒に刻印していますので、後からでもオーバーホールの状況を調べることができるようになっています。