ビンテージの素晴らしさを探索・残してゆくことを目指して
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インボイス番号 T7810709582141
71系,FS5,ニッサンミッション,FS5W,71A,71B,71C,71系ミッション,修理,コンパチ化,ダブルシンクロ,4速ダブルシンクロ,オーバーホール,S30Z,S31Z,ハコスカ,GTR,クロスミッション組,リヤエクステンション,フロントベルハウジング,改善,補修
71BコンパチC Ωバージョンは71Bミッションの中身を71系最終バージョンの71Cに入れ替えて性能回復を図るバージョンです。Ωバージョンは純正でも存在しない4速まで強烈なシンクロのかかるダブルシンクロとするバージョンです。バージョンとしてΩ、α、β、γ各バージョン×クロス組バージョンが有ります。
2023年12月20日
71BコンパチC Ω58 クロス
静岡市のお隣の町、焼津市のハコスカGTR2シーターのご近所さんオーナー様からオーダーいただきました。
S20エンジンですので復刻版のケンメリGTRフロントベルを使う方式です。ギヤ比をよりスポーツ化するためカメアリクロス組、さらに5速のギヤ比は0.83のオプションスポーツバージョンとなります。これで画像のとおりメインシャフトも新品となりますのでほとんどすべて新品部品で組むことになります。
さらにこのバージョンの場合はプロペラシャフトがスプライン差仕込み式のハコスカ2シーター用が必要になりますので(ハコスカGTRはフランジ結合の途中にスライド勘合が有るプロペラシャフトが純正です。このスライド勘合部分が車体振動の原因になるという説もあるようです)このハコスカ2シーター用スプライン差し込みプロペラシャフトを準備してオーバーホールいたします。
さらに、シフトレバーも純正71Aとは異なる71Bタイプが必要ですのでこれも準備いたします。
復刻版のケンメリ2分割フロントベルです。
後ろに見えるのが亀有クロス、その上のが0.83ギヤ比の5速ギヤセット、その後ろが新品のメインインプットセット、後ろにある長い箱は新品のメインシャフトとなります。
組み立てに入っています。
1-2速までのパーツたちです。
1-2速を組みました。
ハブスリーブ以外ギヤはすべて新品になります。
新品のメインインプット(=4速メインギヤ)をダブルシンクロ化してニードルベアリングを取り付けています。
このニードルベアリングなんですが、71A~71Cまでずっと同じサイズですが、71Cの後期でこのだいぶ大きなニードルベアリングに変更になりました。このベアリングはメインシャフト先端とメインインプットを橋渡しする重要なベアリングです。71Cになってある時期からこの大径ニードルベアリングに設計変更されました。私の想像ではこれは71Cになって大馬力に対処するための強化対策だったのではないかと思います。このベアリングが弱いとメインシャフトの先端が撓む為、特に3速や2速のギヤが壊れやすくなると思います。(71Cターボ車の400馬力以上の話ですが)
左が71Bのメインインプットニードルべアリング
右がこれから使う71Cの対策バージョンの大ニードルです。だいぶ大きさが違うのがわかると思います。
4速メインインプットまで組みました。
ギヤ類はカメアリクロスギヤも含めて全部新品で組んでいます。
5-B側を組みました。
バックシンクロタイプ
ギヤ比は0.83ギヤ比オプション選択ですので、これまた5速ギヤセットは新品となります。
M38ナットは私が最良として考え出した私としてはお決まりのサイドロックボルトで緩み止めしています。
ギヤ精度確認です。
メインインプット側についている四角い治具はミッションに組んだ時を再現するために考案した芯だしジグです。
1ST 2ND 3RD 5TH
エンドプレイ
0.32 0.15 0.12 ーーー 0.21
バックラッシュ
0.13 0.14 0.17 ーーー 0.10
殆んどが新品ギヤで組んだ状態ですので、当然ながらほぼベストの値になっています。
71Cのシフトフォーク組付けです。
1STのシフトロッドはφ16強化タイプなので、ケンメリミッションケースに合わせて先端のみΦ14に加工して、ミッションケースに合わせます。
ここでケンメリミッションケース復刻版について一ついつも引っかかるところが有るのですが、お手本としたケンメリGTRミッションケースのバックスイッチの位置を後ろ付けにコピーしているので、71Bのワーナーとか71Cとかのバックスイッチ前付けのギヤセットではバックスイッチがアンマッチになってしまいます。私はいつもこの場合は一手間かけて合致するよう加工しています。
ミッションケースに組みました。
フロントベルは復刻版新品だし、リヤエクステもブラストをかけたのでまっさらできれいです。
これから回転試験をして問題なければ完成となります。
ハコスカGTRの純正71Aミッションではプロペラシャフトはフランジ結合タイプ=中間にスプライン勘合シャフトがあるタイプで、このことがハコスカGTRの車体振動の原因になるという説もあるのですが、
Ωバージョンにして71Cにするとプロペラシャフトはスプライン差し込み結合となりますのでそれに合致するプロペラシャフトが必要となります。
これがなかなかパーツが少ないので用意するのが大変です。復刻されたものもあるようですがなるべくなら純正であることに越したことは有りません。画像のパーツを探してきました。
アッシーしました。
さらに71Aと71Bではシフトレバーが異なります。これも準備いたしました。
ミッションとしては完成です。
後は車体に乗せるときの話となりますが、S20エンジンのクランクとミッションがドッキングするときのパイロットベアリング=クランクの後ろ側のところに打ち込まれている が交換が望ましいです。パーツとしては販売されています。
また、当然ミッションオイルが必要になります。75W-90 または140ぐらいの粘度で2L必要となります。
2024年4月12日
71BコンパチC Ω59 ケンメリ2分割式魔法の箒
西日本地区のPGC10乗りのオーナー様からオーダーいただきました。
ハコスカGTRでケンメリ2分割ベルハウ復刻版を使って71CにするコンパチΩバージョン 私の呼称では魔法の箒
クロスギヤ・新品メインシャフト・ケンメリベルハウ復刻版パーツが揃いました。
亀有のクロスギヤを使って1-3速までを組んでゆきます。
1-2速を組みました。
3速を組んでその後メインインプットを組んでいます。
Ωバージョンですので4速もダブルシンクロ化の改造をしています。
リヤ側の組付けです。
今回のバックギヤはバックにもシンクロが付くバックシンクロタイプでの組込です。このタイプだとバックでギヤ鳴りすることが無くなります。
バックアイドラーギヤですがなんとこのタイプにはここに小さなシザースギヤが付いており、アイドリング時のガコガコ音を防ぐ仕様となっています。
ギヤについては組み立てがほぼ完了しました。
ギヤ精度
1ST 2ND 3RD 5TH
エンドプレイ
0.31 0.16 0.07 ーーー 0.20
バックラッシュ
0.17 0.09 0.20 ーーー 0.05
良い値となっております。
バックー5速
5速裏スラストベアリング
M38 サイドロック
バックシンクロ
一気にケースに組付けました。
回転試験に入っています。
回転試験です。
反対側からの画像
フロントベルハウジングはケンメリ71B復刻版新品なので出来たてです。リヤエクステはウェットブラストです。
回転試験の結果良好で完成となります。
シフトレバーもご準備いたしました。
2024年6月5日
71BコンパチC Ω60
ハコスカGT4DRのお乗りのユーザー様からΩバージョンでご依頼です。
1速 2速の部品たち
メインシャフトは新品を使用します。
1-2速の組み立てです。
次に3速 4速メインインプット のパーツたち
ダブルシンクロが1セットしか映っていませんがもちろん3速も4速もダブルシンクロのΩバージョンとなります。
4速メインインプットはすでに純正71Cでは存在しなかったダブルシンクロ仕様になっています。
4速メインインプットのニードルベアリングは強化タイプのこの大きなニードルベアリングとなります。71Cとしては最終仕様で使われていた仕様です。
ギヤ部分が組みあがりました。
5速のギヤ比はご指定で通常の0.75ギヤ比からオプションの0.83ギヤ比を選択です。エンジンノーマルならこちらの方が走りやすいギヤ比となります。
またこのギヤ比は、サーキットなどでも5速で目いっぱい引っ張れるギヤ比となる2面性が有ります。
ベアリングに特製治具を組んでミッションケースに組んだ時の状態を再現してギヤ精度を測定します。
ギヤ精度
1ST 2ND 3RD 5TH
エンドプレイ
0.38 0.18 0.18 ーーー 0.15
バックラッシュ
0.11 0.10 0.06 ーーー 0.07
安定した良い精度です。
シフトフォークの組付け
ミッションケースに組付けて回転試験です。
問題ないです。
シフトもきれいに入ります。
2024年6月30日
71BコンパチC Ω61 OSクロス
魔界エンジンME-6をオーダーくださったオーナーさんから引き続きミッションの依頼です。
ギヤとしては私の手持ちのOSクロスを使用します。
これはすでにサーキットで走行実績があり、ギヤ比も車重のあるローレルに適します。
このミッションは魔界エンジンME-6とセットで製作するため詳細記事はME-6記事内に収めます。