魔界エンジン MEー6 製作開始
静岡県内の方から魔界エンジンの製作依頼がございまして、開始いたしました。 画像は今まで使っていたエンジンを支給されたもので、ある程度はチューニングされているが調子が良くないとのことで、不具合箇所は修理してほしいという要望です。
ME-6-2-3 ヘッドチューニング その3
ヘッドチューニングパーツとして考案したこのパーツを削りだしています。私のこの極小フライスマシーンでもやり方を工夫すればこれくらいの大きさのパーツでも加工できます。このパーツはまだ試作段階なので、一応設計図は有るのですが、改善できるところはできるだけ設計変更して量産に備えます。この40年前の機械でもツボさえ押さえれば必要精度は確保できます。マニュアル機なので頭で考えたことをそのまま手を動かして加工してその結果を見て設計図に落とし込んでゆきます。 NCフライスまたはマシニングセンタが現在は95%主流でしょうが、このように試行錯誤する場合はその都度マシニングプログラムを書き換えてゆく必要があるので大変です。でも最近はプログラムソフトも充実しているのでそんなでもないかな?
こんな感じで加工しています。
作っていたパーツは
カムホルダーラダー です。
自分的にはクランクラダーに続いてラダーシリーズ第2弾といったところでしょうか。
このラダーは私のエンジンME-1で開発して(詳細はこちら)もう何回も富士SWで走行実験したものとなります。ME4・ME5も取り付けているのでこれで4機目となります。
この対策をする前はカムホルダーのこちら側列のボルトネジ穴をM8のヘリサートを打って強化して締め付け力を増やしていましたが、このカムホルダーラダーはその延長のチューニングとなります。
こちらから見るとわかりやすいのですが、L型エンジンはカムホルダーが7つで構成するのが自然だと思うのですが実際は5個しかありません。従って中央部のカムホルダーは他より約2倍の負荷がかかることになります。事実、エンジンを分解するとほとんどの場合でこの中央のカムホルダーが摩耗が激しいです。
ましてやフルチューンでバルブスプリング荷重を増して、バルブリフトアップも目いっぱいに増やすのですからカムホルダーに掛かる負荷は純正よりずっと増しているはずです。
本当はカムホルダーを7つに増やしたいのですが、まずはカムホルダーをカムラダーで連結して補強しようというのがこのパーツの狙いです。