日産L型エンジン用71系ミッションについての探求を続ける中で得ることのできた重要な情報・トピックス・エピソード等について記述してゆきます。


2011年11月24日

 はからずも私の所属するクラブS30のクラブ員であるSさんは、当時N社富士地区で71系ミッションの実験を担当していた御本家の方で有ることが分かりました。本日こちらにご訪問いただいていろいろお話することが出来、私が現物だけでは類推出来ない当時の生々しい いきさつ のお話をさせていただきました。担当していた分野ははまさに71Bから71cへ移行するまでをリアルタイムで経験されていたようです。内容としては市場から寄せられる故障現象を解明する為の現物の調査と対策で有ったようです。 以下インタビューの内容です。

 

・71Bと71Cは基本的には互換性を保って存在していた。パーツは共通パーツを使っている部分が多かったので、組み替えは可能と思う。

・故障内容としてはギヤのガタ音=異音が多かった。長時間使用することでのギヤ面の摩耗や異常がこれらの原因であった。

・ベアリングはゴムシールドのほうが良い。71Cはこれに変わっていった。

・ニードルベアリングは改良型は2列タイプとなった。2列のほうが強い

・シンクロの寿命はやはりスラストクリアランス=シンクロ残量でここで判断する。山形の方はあまり影響しない。ハブの方はギヤ抜け防止の為に逆テーパーが付け有られている。これが片面だったりテーパ量が左右異なるなどのバリエーションが有った。

・71Cに変わっていった理由はやはりエンジン種類が増え、パワーアップに対処する為

・バックのギヤ鳴き防止として71Cではリンク機構を取り入れた。このリンクによりバックに入れる寸前に4速のシンクロをほんのわずか押すことでメインインプットギヤの回転を止めることが目的で有った。ただこれが無くても丁寧にシフト操作すればバックでのギヤなりは無くすことが出来るはず。

・アダプタープレートに取りつけてあるオイル受けはリヤエクステンションのドライブシャフト受け面のプレーンガイドの潤滑保護の為に大きな働きをしている。

・カウンター先端に追加されたガラ音防止シザースギヤはアイドリング時などのギヤのチャタリング音対策で追加されたが、サラバネの寿命が低くすぐに機能低下が出る場合が多かった。実際の効果は少なかったと思う。

 

 

 


 

 

2012.12.05 

今回さらに上記で出てきたN社の実験におられた御本家の方のお宅にお邪魔してお話を伺いました。

富士山がまじかに見れる環境で、ピット付きのすばらしいガレージをお持ちでした。

ご自分でこつこつとロングノーズを仕上げています。

 

・71Aは47年当時すでにあまり採用されていなかった。このころから71Bへの切り替えがされていた。

・ポルシェシンクロはシンクロスリーブがシフトされることでシンクロリングを押してゆくが、内蔵されたキーの作用でシンクロリングを拡げる動きがが起こりブレーキをかける機構となっていた。同調した後はさらにスリーブがシンクロリングを今度は縮めこんでギヤとかみ合う。シンクロリングはあまり摩耗することは無いが、摩耗したものは交換が必要。

・ワーナーシンクロは3か所キーがあるが、これの押さえスプリング方式が キー+コイルスプリング→キー+Cスプリング2本→キーレスヘアーピン方式と変遷しているが、これは時代の趨勢であった。コイルスプリング方式がもっともお金がかかっている。ただ、スプリングの働きは組みつけ時脱落を防ぐという意味が大きく押さえ力の強弱は影響しない。ヘアーピン方式でも問題が出た話は聞かない。

 


2012年12月13日

本日もお互いに情報交換で 71系ミッションのN社御本家の実験におられたSさんが訪問してくれまして、3時間ほどお話しました。

丁度 71BコンパチCの4号機が作業机の上で組みつけの最中でした。

4号機についてはSさんも程度ががいいことを直感しているようで、このミッションは摩耗が非常に少ないね といっていました。

 

今回の話題はシンクロキーについてですが、71Cのシンクロキーはヘアーピンタイプですが、これがどんな機能をするのかです。

・このシンクロキーはシンクロスリーブが最初に動き出したとき中心方向へ押される動きが発生する。するとこのヘアーピンのU字形の部分がシンクロリングを3か所でつまむような動きになる。

これによりシンクロリングの傾きを矯正しつつシンクロリングの歯をシンクロしやすい位置に移動させる働きをする。この状態でシンクロスリーブをさらに押してゆくとシンクロリングのテーパーがギヤのテーパー面に押しつけられてゆき、シンクロスリーブとギヤがシンクロし始める。そしてキーの働きでおおよそかみ合いしやすい位置にあったスリーブとギヤの山が完全にかみ合う状態になる。

このヘアーピンタイプのキーは脱落するようなことは無かったが、両サイドのひげの部分が摩耗して折れることがまれに有った。一か所ぐらいの折れでは何とか機能は維持出来ていた。

 シンクロの摩耗はテーパー面の筋状の模様の山が削られ幅が広がってくることで確認できる。本来はこの筋はとがっていなければならないが、だんだんと削れて平面が出来てくるが、こうなるとシンクロ機能は低下する。


 

 

2012年12月26日

下の画像は3-4速のシンクロハブとギヤーですが、左の画像でわかるとおり中央部の研磨面が円周状にかじりが発生しています。ここには右画像のギヤの受け面と接触するところで、その形状でかじっています。これではもうじき焼きつきが始まるところでした。ギヤ側は何とかなりそうですが、ハブは修正できそうもなく廃却です。これらの部品の問題の面にはそれぞれ3か所 4か所の溝がありますが、これはオイル供給用の溝ですが、このカドは加工しっぱなしでエッジ=バリがありそうです。ここが起点になってかじりが進行することは一般的に起こります。このカドをダイヤモンドやすりであらかじめ面取りすることで、かじり予防になります。

 

 

 

 

画像は2速のメインギヤですが、手で持っているダイヤモンドやすりでスラスト方向受け面の研磨面にクロスに傷を入れていますが、こんなことしていいんかいと思うかもしれません。しかし、金属のかじり摩耗を防ぐ最大の味方はオイルです。かじり防止で鏡面に磨いてしまうとオイルが排除されてしまい、焼きつきます。ご存じの通りエンジンシリンダー内壁にもクロスハッチを付けますね。私の専門の金型でもかじり防止でこれをやっていましたが、この技術はスイスから来たマイスターに教わりました。


 

 

2012年12月26日

画像はミッション中央のアダプタープレートですが、そこにシフトロッドが取り付けられ、これが前後することでシフトチェンジします。右側画像でやすりで示しているところにもロッドが入ってきますが、この穴のカドはピンカドでエッジがありますので、ちょっとしたことでロッドに食い込んでしまいます。ナイフの刃の上でスライドするようなもんですね。量産の中ではこういうところが一番苦手なゾーンです。お金をかければメントリ出来ますが、コストとの関係でなかなかできません。

 ここはダイヤモンドやすりで丸く仕上げていきます。人間の手ではたいしてお金かけずに簡単にできます。3か所ともに面取りします。

 

私もかつては部品の大量生産をするための生産技術をしていたので、よくわかりますがどうしても大規模な生産になると物の形を作ることが優先されて、細かなところは後回しになりがちです。そして、その最も顕著な部分が、機械加工で生じるバリの処理なんです。これを機械で取ろうとするとバリを取ったことによるバリ(2次バリ)が発生します。おそらく機械でやる限りきりがありません。また人力でやろうとすると、機械のタクトタイム(1分くらい)でやらねばならずモダンタイムズの世界になりますし、熟練した手業で無いと却ってバリをひどくするので、パートタイマーでは困難です。 

そしてこの部分ですが、シフト感の一番の要となるチェックボールの部分です。シフトロッドに設けられたこの溝に横からスプリングで押されたボールが当たることでシフトの位置決めをしながらクリック感を出してます。(溝の中に左右方向で押しつぶしたような線があるのは、使用履歴の中で何回もチェックボールがスライドしたことで出来た摩耗痕です。)

この溝は機構状上先ほどのアダプタープレート部分で丁度スライドせざるを得ませんので、ここがひっかかるとスムーズなチェンジは出来ません。左画像の上側の溝をよーく見るとやはりカド部にエッジが立っていますが、下側の溝は面取りした後の形状です。ここをやはりダイヤモンドやすりで面取りしていきます。右側が拡大図です。やはりこれも3本のそれぞれの溝すべて加工します。これで余計な所に不具合因子を残さずに済みます。

 

また溝加工された面を良く見ると筋状の加工跡が見られますが、機械加工の世界ではこの肌の状態を削りっぱなし面といいます。ここはシフト時チェックボールが転がる面ですから、本来平滑=研磨しなければなりませんが、生産上曲面の研磨は非常にコストがかかります。で、ここは大した溝でもないから削りっぱなしでいいやということになったんだと思います。今なら、私が手作業でここをある程度平滑に磨くことができますので、きれいにしてゆきます。小さなことですが、こういうところの積み重ねがシフト感の改善につながってゆくと期待してやっていきます。


 

 

 

2012年1月4日

大量生産の限界

 

歯先の面取り

大部分のギヤはホブという工具でホブ盤という機械で削り出しで作られます。

イメージ的には歯車の横方向から歯車の形をしたバイトの様なものが切り込んでくる

という感じです。

そうするとどうなるかというとギヤの各部にバリ=鋭いエッジが発生します。

このエッジは削除しないと、歯面に食い込んだりして悪影響が出ます。

特に歯先のバリは相手の歯元を攻撃するので、歯欠けの原因になります。

 

このバリ取りが大量生産では最も苦手とするところなのです。

 

私はこのバリが余りにもひどいところはペンシルグラインダーに超硬カッターを付けて削り取ってしまいます。


 

 

 

2013年1月4日

ギヤーの不具合ってどんな事?

 

ギヤーの異常例を調べると右の様な不具合が発生する様です。

気を付けなければなりません。

 

この様になる原因は

・潤滑不良

   潤滑油種類

   かたさ 番手

   オイルレベル

   冷却

   濾過

   交換頻度

 

・対策

  モリブデン系添加剤が効果あり

  潤滑油の油量を増やす

ギヤの異常摩耗の例です。錆のようにも見えますがどうも化学反応的に腐食している感じです。不良品のオイルたとえば硫黄成分の異常に多いものとかを使った結果ではないでしょうか?

ギヤの歯当たり

ギヤは歯の中央部で均一に当たりが無いと、摩耗や振動の原因となります。

そこで歯当たりを調べるのですが、歯面に光明丹(赤)を塗ってかみ合わせ

その時の転写具合を見ます。歯面の中央部に当たりがあればOK。

記録が必要な場合は、これをセロテープで写し取って記録します。

 

 

2013年1月5日

 大発見!

ギヤの定性的確認法

 

ギヤが正確に出来ているかどうかとか摩耗やその他の異常が無いかチェックする方法として、測定的にはオーバーピン径を測定しますが、ハスバ歯車では難しいですね。そこでかみ合う歯車どうしを手で持って噛み合わせながら回してみます。すると異常がある場合は手の感触で分かる様です。さらに歯面のツールマーク(削った跡)や当たった跡がいびつになっていないか目視チェックします。ギヤ面は全部光っているように見えますが、よーく見ると部分によって光り方がいろいろ変化することがわかります。


 

 

 

もうひとつの発見です。

71Cのアダプタープレートの中にはこの様なタイプがあることを発見しました。

最初は何か分かりませんでした。が、前に出てきたN社の実験におられた方のお話からヒントが得られました。R32GTRでは急加速の際にミッションの潤滑オイルが慣性力で後ろに偏るという現象が出たそうです。その対策だったのではと思いますが、画面下部に有るのはワンウェイフラップです。こちら(ミッションの主ギヤボックス)から向こう(リヤエクステンション)へオイルが流出するのを防ぎます。

こちらが裏からみた状態で、プラスティックのゲートがスナップフックで固定されたいるのが分かります。かなり急ごしらえで設計されたのでしょう。こちら(リヤエクステ側)から向こうへは自由にオイルが流れる様になっています。これが取り付けられているのは、かなり限定された仕様の車種だけだったようです。

またこの画像もかなり特殊な部品で有ったことが分かるのですが、左上の長穴の座繰り加工は通常ありません。意味するところはよくわかりませんが、オイル潤滑対策だったのではと思います。また右上のプレートの出っ張りは71Bでは取り付けられていなく、穴が開いています。これもオイルの流れを制御する対策だったのだと思います。

 

 

 

フロントカバーですが左が71C 右が71Bです。だいぶ違います。

材質が左 アルミ  右鋳鉄  重さが3倍違います 。

ただ、71Bにもアルミ製のタイプがありますのでなるべくそちらを使います。

そして 71Cのほうが溝加工が多いのが分かるでしょうか。

 

コンパチで使うのは右の71B用ですが、

上側の丸い凹みの径ベアリング径が異なるのでこれを使わざるを得ません。

 

将来は右の71B用に71Cと同じような溝加工追加したいと思います。

 

 

これはカウンター側の後ろ側がねじ切れた例です。

私が見ただけでもこれで2例目ですからかなりの頻度といえると思います。

破断面を見た感じでは序々に亀裂が進行した感じに見えますが、

はっきりとは分かりません。へその様に見えるところが起点だったと思います。

ここに負担がかかるのは5速とバックの時だけですが5速でそんなにフルパワー かかるほどの回転数にすることはかなりしんどいですので、バックに無理やり入れた 時に逆回転ひねり3回転半がかかって壊れた可能性が高いと思います。

そしてこれは組みつけミスの典型例です。私が分解した時には既にこうなっていました。

N社さんで組んだ時にこうだったのでしょうか?

わかりません

この部品は1速ギヤの後ろ側、アダプタープレート内のメインベアリングと接する部分のワッシャーです。

 

 

この状態ではメインシャフトが完全には締めこめない為、1-2速のスラスト方向ガタ

が非常に大きくなりシフトしずらかったはずです。

これは71Cのバック―5速間のシンクロハブですが、激しく欠けています。

これでは5速はすごく入りにくかったと思います。

これは、71Cでも最後期のバックシンクロ付きに多い現象で、他の5速では見られないものですが何故なんでしょうか?

 この時期のシンクロハブだけ熱処理など変更して硬くしたのでしょうか?材料に詳しい方には当たりまえのことかもしれませんが、一般に鋼材は硬くするともろくなります。

 

これは71Cの1-2速のシンクロハブとスリーブですが、左側の様に相手ギヤに組み合わせてギヤがかみ合った状態を再現してチェックするとカタカタとガタがあります。これではアクセルオンオフの度にガチガチ音が出たと思われますし、いずれはどちらかが衝撃で欠けてしまうと思います。右側にある同一部品を組み合わせると明らかにガタが少ないです。

 

○メアリなどでWPC処理済みのシンクロスリーブ(右側の様な姿)を発売していますが、こういうところに必要性の根拠があるのだなと感心してしまいました。

そしてこれは71Cのバックシンクロ付きタイプのバックギヤですが、シンクロが付いているにもかかわらず丸坊主です。やはりせっかちな人が多いようです。まだ車が前進しているうちにバックに入れようとしたり、クラッチを完全に切らない状態でバックに入れるのでこうなるのだと思います。これはもう再使用は出来ません。

とうとういままで半年間出来なかったこのリヤエクステンション部分の完全分解に成功しました。

結果的にはあるジグを作ることが必要でした。これでどんなタイプのリヤエクステ(数種類ある)も完全に分解できます。これが出来ると

1)ストライキングレバーを71Cにコンバート出来る。シフトガタが減る。

2)リヤのシフトロッド部のオーリングを交換出来る。リヤのオイル汚れが減る。

が実現できます。

 

2013年1月5日 大発見

 

この画像は左が71B 中がS13後期バックシンクロ・右がS13リンクタイプのストライキングレバーですが、かなり違いがあります。

このレバーを固定するテーパーピンの位置とレバー先端の実際にキーとかみ合う部分の位置寸法L寸が、複数種類あります。しかし、左と中はかなり近いです。

 

これは私がやろうとしていることに対して非常に大きな発見です。

これで次なる進化への糸口が見つかりました。

 

もう少しで私の機械系潔癖症が治癒することが出来る感じがしてきました。 

 

 

 

 

バック誤操作防止機構の謎

2013年1月25日 

このタイプのリヤエクステンションは、要注意です。

後部横にはっきりとした補強リブが設けられていますが、

フェアレディー系やDR系では見られない物です。

セドリック・ローレル系でしょうか?

バック誤操作防止機構が特殊です。

画像のとおり、このタイプだけは高さが5mm短いです。そしてそれだけでなく

このタイプでは、コンパチ化するにあたり、この機構部に相当無理な改造を強いられました。なんと前後反転ですので、取りつけ穴も無理やりフライス加工で長穴にしています。それだけでは無く、画像に有るとおり、細かな細工が必要でした。これが機能しないと最悪5速100Km/Hから直接バックに入ってしまうことがあり得ます。

 

 

 

 

 

だんだんと71Bミッションの寸法を測り続けてきましたが、それをCADにインプットしてゆきます。細かい形状は端折っていますので外観はシンプルにしていますが、機能部の寸法のみは正確に記述してゆきます。これでだんだんとポイントとなるところのセッティングがはっきりと意識できるようになります。 これは前職でいるときも時々やっていたことで、いろんな車を分解しては、自社に参考となるところの作りを類推します。製品が一つ手に入れば大抵その工法・工程・使用工具・精度まで割り出せたと思います。

 

 

 

 

 

いろんなミッションギヤ比

ギヤ比の検証 以下一般的に使われている71B系のミッションのギヤ比です。

した3つが普通のZやハコスカに標準で使われているものです。

 

            1ST    2ND    3RD   4TH    5TH

OSクロスG2    2.718  1.722  1.233  1.000  0.759

OSクロス      2.617  1.722  1.247  1.000  0.759

カメアリクロス    2.624  1.814  1.360  1.000  0.838

カメアリクロス    2.427  1.677  1.258  1.000  0.759

240クロス     2.906  1.902  1.308  1.000  0.852

ノーマル5S1    3.592  2.246  1.415  1.000  0.852 

ノーマル5S2    3.321  2.246  1.415  1.000  0.852

 

osクロスでは発進が標準でいうところの2速で発進するのと同じ感じになります。

2速発進の練習をしなければなりません。エンジンパワーがあれば問題なし・・・。

 

 私がやっている71BコンパチCのギヤ比パターン

 

コンパチノーマル   3.321  1.902  1.308  1.000  0.759

コンパチトップロー  3.321  1.902  1.308  1.000  0.838

コンパチローギヤド  3・591  2.057  1.415  1.000  0.821

 

コンパチクロスH   2.427  1.677  1.258  1.000  0.759

コンパチクロスM   2.427  1.677  1.258  1.000  0.838

コンパチクロスL   2.624  1.814  1.360  1.000  0.838

 

全パターン 2速 3速 ともにWコーンシンクロとなります。

クロスはカメアリを使いますが、カメアリとは違い3速も全てのパタンでWコーンシンクロです。

OSクロスでも同じように出来ます。

 

 

 

ギヤ鳴りやギヤが入りにくいってなんで?

これは5速ギヤのシンクロ噛み合い部の様子ですが、ギザギザの山が丸くなってお団子状になっています。ここにシンクロスリーブがかぶさってきますので、この様に丸くなってしまうと山どうしが喧嘩してうまく噛み合えずギヤ鳴りが頻繁に鳴るようになります。またさらに悪化するとこのお団子の肉が横方向へはみ出てしまい、今度は力いっぱい引っ張らないとギヤが抜けないという現象が起こります。


これは良い状態の5速シンクロ部ですが、これも少し先端が丸くなってはいますが全体が丸くはなっていません。これならスムーズなギヤチェンジが出来ると思います。新品はバリがあるくらいにとがっていますがそれはそれで、ギヤが入りにくい、固いなどの現象になるとおもいます。

 

 

シフトレバーと連動してゴーゴー音がすることって・・・?

あるギヤにシフトしたときにずっとゴーとかシューとかジリジリとか音がして、シフトレバーを少し動かすとその音が変化するというような経験はありませんか?その場合左画像のシフトフォークに埋め込まれた銅のガイドブッシュに異常があることがあります。画像は剥がれかかっていて分解時シフトスリーブと干渉して外れませんでした。このままにしていたら最後は焼きつきシフトフォークが折れていたと思います。

 

 

 

 

2013年3月4日

 

71BコンパチCですが1000km走った時点のミッションを分解チェックすることにしました。

画像はメインベアリングですが、レース面はまったく問題ありません。カウンターも問題なし。

他のベアリングもすべて手で回りガタもありません。

ほかのギヤや構成パーツをすべてチェックしたのですが異常は見当たりません。

 

私が実車試験した1号機を含め2台確認しましたがどちらも問題ありませんでした。

 

ドレンプラグにはうっすら(1mm)くらいの鉄粉がついていましたがこれくらいは少ないレベルの様です。(新品だと3mmくらい堆積する。これはギヤの摺り合わせが進んだことによるものです)

 

ミッションの異常、特に異音に関しては人によって感じ方が違うので難しいですが、ミッション以外のところにも原因がある場合がありますから、真因をつかむには系統的なチェックが必要ですね。

 

もっとも、e-zanaraizer(ミッション簡易試験機)を作ってからは、初歩的な異常はすぐに私が察知できるはずですのでありえないはずなんですが・・・・・

 

 

 

2013年4月29日

ポルシェサーボの不具合の様子

2速がギヤ鳴りするミッションを分解調査

 

これは実際に2速が頻繁にギヤ鳴りしていたミッションを分解したものですが、やはりシンクロリングが激しく磨耗しているし、スリーブの山も先端が丸くなっています。これではシンクロ機能が著しく低下してギヤ鳴りにつながったと思います。

 

詳細は ポプルシェシンクロの謎 こちらへ

 

 

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