S20エンジンご用達、R192デフのオーバーホール

ハコスカGTR Z432 Z432R ハコスカGT S30Z 

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その11

その9から続く

 

ピニオンギヤを組み込んでとりあえずのプリロードを調整しました。とりあえずというのは、この後刃当たりを調べてNGならやり直しになるからです。

サイドフランジのオーバーホールです。

 

R192サイドフランジです。R192はここのところがほかのR系と大きく異なります。ここにボールベアリングが余分に組み込まれています。

オーリングですが変形して四角になっています。

元々は丸いオーリングでした。

LSDの組み立てに入ります。

 

ケースの幅測定から各部の測定まで行って、トーターるクリアランスに辻褄が合っているか調べます。

今回の場合

LSDプレッシャーリング隙間は片側0.5mm

プレッシャーギヤクリアランスは片側0.8mm 

と一応辻褄は合いますがどちらもかなり大きな隙間の程度となります。

LSDプレートは最もひどいカジリのところでこのくらいのカジリが有りましたがいろいろ工夫して使える範囲内で調整します。プレートの新品は手に入りません。

 

LSDを組みました。

イニシャルは3.2kgまで戻りましたがオイルが入れば元の2,5Kgに戻ることでしょう。(規定では5Kgです)

リングギヤ取り付け準備です。

 

中央のテーパーベアリングを圧入するボスはR180とは異なりものすごく肉厚が有りますので、R180によくあるこのボスの亀裂やもげたなどの事故は少ないと思います。

リングギャ取り付けました。

ボルトはM10P1.0 8本

 

再度テーパーボールベアリングの親側を圧入しています。ここが緩むとまずいことになるのでベアリングを温めて焼き嵌め的に圧入します。

サイドフランジ

ここに見えるボールベアリングが他のR系には見られないところです。この裏側には他のR系と同じようにサイドテーパーローラーベアリングが有ります。

組み込んでサイドベアリングのプリロード調整をします。シムで行うのですがこのシムも日産純正は製造廃止なので私は復刻製作して調整しています。(シムは販売もしています。0.1、0.15,0.2mmが有ります)画像ではサイドフランジを取り付けている画像ですが実際はオイルシールの摺動抵抗をなくすため付けない状態で調整します。良くバックラッシュの調整という話は聞くのですが、ベアリングにプリロードが無い状態でバックラッシュ調整しても何の意味もありませんのでご注意を。バックラッシュとプリロードはセットの調整ですのでプリロードがいくつでバックラッシュがいくつだ というように表現すべきですね。今回はプリロード3.6Kgでバックラッシュ0.13~0.16となりました。

刃当たりです

正転側は少しトー寄りですがほぼ歯面に広がっており良いと思います。

逆転側は分解前は完全にトーから外れるくらいずれていましたが、調整でほぼど真ん中に調整できました。

一度全部分解して最終的にシール類を取り付けながら決定したシムの板厚をセットしながら仕上げしてゆきます。完成です。

この後回転試験を行います。

この後最後のお題目であるプロペラシャフトのオーバーホールです。(これでドライブシャフト以外の駆動系オールオーバーホールとなります)


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