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フロントカバーのプチチューニング

2018年8月5日

ここで目先を変えてこの部品のプチチューニングをします。新品のフロントカバーですが見てみると鋳物の痛みというか鋳造金型の痛みが激しい様ですがそれは仕方無い事ですが、他にも気になるところが有ります。

 

ミッションの仕事の合間にやっているので腰を据えてチューニングに取り掛かれる場面はなかなか取れないので、こんなちょこっと手を付けて終わる部分に目が行きやすいです。

 

ウォーターポンプ通路ですがバリというより壁が出来てしまっています。流量制限かなと最初は考えたのですがどうも違うようです。加工上の問題か?

 

どんどん削ってしまいます。肉厚は十分にあります。


 

水なら多少鋳込みのつなぎが出ていても問題ないですがこのオイルポンプからのオイル通路となるとこんなのは許せません。

 

こんな感じにスムーズになるように仕上げます。このようなところが量産品では妥協している部分ですのでプライベーターは工数の惜しみなく気のすむまで仕上げを入れます。こんなバリがここ以外にもまだたくさんあります。

 これでオイル流量10%はアップするはず・・・


ディストリビューターのど根性

2019年2月3日

 付帯機器つながりでディストリビューターを分解しています。今やディストリビューターも純正部品は部販で98000円という信じられないような価格が付いていますので、今までのようにポイポイと新品に付け替えてゆくのも難しくなりましたので、なるべく現有品を温存リペアしてゆきます。

 分解はむずかしくは無いと思いますが画像右から2つ目の円筒形のカラーは上側にあるスプリングピンを打ち抜くことで分解します。たくさんのワッシャーが入っており、カラー一方向性がある様ですので注意です。

 

 

 

ボディーについてはサンドブラストかけて保護用ウレタンクリアーで塗装しましたが、サンドブラストはどうしても梨地状のつや消しになってしまいます。やはりウェットブラストが正解の様です。軸受部には絶対にサンドが入らないように2重3重のマスキングをして、ブラスト後は洗浄剤を何度も吹いてエアーブローします。

ここが遠心進角のウェイトの部分でほとんど分解の最終地点のところです。このウェイトの重量で進角カーブが決まりますのでその重量は重要です。これを重くしたり軽くしたりすれば進角特性に変化が出ることでしょう。

トリガーを乗せましたが進角ウェイトはこのトリガーとカム的に組み合わさっておりトリガーを進角範囲で動かす作用をしています。おおよそ30度くらいの移動がある様です。

横から見た図でこのシャフトは重要でエンジン回転の1/2の回転数で動くはずで7000rpm時3500rpmの回転をしますからこのシャフトにかかる責任は重大です。ただのグリース潤滑ですが本当にこれで大丈夫なのでしょうか?シャフト軸受ベアリング入りがあると思うのですがそっちがやはり欲しいです。

マグネット(ポイント式ならポイント)を取り付けるベースです。

裏側から見ると外周付近にすごく幅の狭いベアリングが入っていて内側のベースプレートを回転自由にしており遠心進角の動きをサポートしています。ここのグリースは固まりやすく要メンテ箇所です。

部品ごとにきれいにしてから潤滑材を補給しながら組み戻してゆきます。

完成です。

 右側のロート状のパーツがバキューム進角をコントロールするところでバキュームがかかると内部のダイヤフラムがマグネットベースを引っ張って進角作用をします。マニフォールドにバキューム負圧が生じたとき(主としてフル加速時か)に点火時期を進めて燃焼状態を助ける作用と思います。

 これらの遠心進角やバキューム進角の作用を殺してマイナス30度くらいの固定進角にしてしまうやり方が有りますがサーキットでは単純でよろしいですがやはり一般人には無理が有ると思います。

 また現代ではこれらの作用は全てコンピューターがエンジン回転や負圧センサーで計量してすべて電子化されているところですからポイント同様歴史遺産のような存在であることでしょう。そもそもディストリビューターが今は付いてないか・・・・。


2018年8月23日

クランク&コンロッドメタルの選定

ーープラスチゲージ編ーー

メタルを決めるために測定をします。

絶対値はマイクロメーターやシリンダーゲージではかり、クリアランスについては画像のプラスチゲージを使います。細い線状の油粘土の紐のようなものが入っています。

 

仮組のメタルを組んでからこのプラスチゲージを細かく切って挟んでから規定トルクで締めこんでゲージのつぶれ具合を測定して換算表でクリアランスを割り出します。

先ずはシリンダーゲージでコンロッドの大端径を測定します。私の測定ではφ53のマイナス0.01mmくらいに出ましたが0.01mm代は測定誤差がシビアで難しいです。温度管理もしなければなりません。

しかも実際はこの中にメタルが付くのであくまでも代替値のようになってしまいます。

 

クランク小端寸法は測定で49.960~965

 コンロッドジャーナル径 φ53.00~99

 

クランク大端寸法は測定でφ54.950

クランクジャーナル径

 

メモ:

コンロッドメタル #1肉厚 1.4945mm

         #2肉厚 1.5045mm

 

取り付け時クラッシュハイト分拡径代がある。使用コンロッドによって異なると思われる。 23

 

コンロッドはタートルリアルのレーシングコンロッド鍛造品で490gしかありません。かつては純正コンロッド(650g以上ある)をグラインダーで削ったりして軽量化していたのですがこの重量には遠く及びませんし、強度も全く違うと思いますので文明の利器をありがたく使わせていただくのがよろしいかと思います。これを自分で作ろうとしたらとんでもない金額になりそうです。

ただし私はこの後各部をさらにリフィールいたしました。

プラスチゲージを貼って規定トルクで締めこみました。650kg/cm

 

締め込みボルトはARPの3/8mm(10mmではありません)

締めこんだ後外すとこのようにゲージがつぶれてマジックで線を描いたようになっていますので、この幅を測定します。実際は奥に見えているクランクシャフト側を測ります。

クランクシャフト側

メタルの厚さを決めるために測定に入ります。

プラスチゲージを使いましたが、前準備として測定値とクリアランスの関係をわかりやすくします。黒い点線部分は私の想像値です。

 

 

クランクメインジャーナル(ブロック本体)とクランク大端部クリアランス

 

仮メタルは#1(岡田さんにお借りしました)

        1番   2番   3番   4番   5番   6番   7番

プラスチ幅  4.25 3.90 4.50 5.00 3.60 5.00 4.50

プラスチ幅  4.00 4.20 4.00 4.20 3.70 4.30 3.50

 

この値をグラフで引いてクリアランスを出して上下足し込むとトータルクリアランスとなります。

目標値は0.06mmが多い様です。

           1番    2番    3番    4番    5番    6番    7番

換算クリアランス  0.025 0.028 0.020 0.018 0.032 0.018 0.020

換算クリアランス  0.025 0.025 0.027 0.025 0.030 0.023 0.035

トータルクリアランス 0.05  0.05  0.05  0.04  0.06  0.04  0.06

 

以上平均で0.05mm

これより#1メタルで良い様です。細かく言えば4番と6番の片側は0.018mmのクリアランスしかないですが消耗の差やクランクの曲がりなどもあるので合計でokなら良しとします。

 

 

クランクコンロッド大端側クリアランス

仮メタルは#2(岡田さんより借用)

         1番   2番  3番   4番   5番   6番

プラスチ幅ピ 4.80 4.20 4.10 4.20 4.00 3.70

プラスチ幅キ 4.50 4.20 4.30 3.90 4.30 4.50

 

換算クリアランス0.018 0.025 0.023 0.025 0.027 0.030

換算クリアランス0.025 0.025 0.025 0.027 0.025 0.022

トタルクリアラン0.043 0.050 0.048 0.052 0.052 0.052

 

以上平均で0.0495=0.05

これより#2メタルで良い様です。


2018年8月31日

メタルクリアランスの測定ーその2

精密測定機器による算術計算での決定

 

いろいろやっているうちに考え直してもう一度やり直しします。寸法測定の絶対値で測りまとめなおします。

納得ができるまでやるのがビンテージクラフトです。

 

コンロッドをもう一度測定です。

今回はこの1/1000mm 1ミクロン単位まで見れるこのマイクロで測定します。

コンロッド大端測定値(90度ずらして2か所測定ー1か所当たり3点測定して平均

       1      2    3    4    5    6    7

クランク 54.954 ・942 ・948 ・946 ・947 ・945 ・950 

大端   54・946 ・942 ・948 ・949 ・948 ・946 ・949

     ------------------------------------

平均   54・950 ・942 ・048 ・949 ・948 ・946 ・950

 

総平均 54・948

max 54.950

min 54.942

差    0.008

 

2番が0.006mm 小さい(クリアランス広くなる)様です。

コンロッド小端測定値

        1番    2番   3番   4番    5番   6番

コンロッド 49.959 ・968 ・960 ・962 ・961 ・960

小端    49.954 ・964 ・962 ・960 ・962 ・960 

      -------------------------------

平均    49.957 ・964 ・962 ・960 ・962 ・960

 

総平均 49.961

max 49.964

min 49.954

差    0.010 

 

1番が0.006小さい。他は4μ以内で揃っている。

そしてコンロッドジャーナル径をもう一度測定しなおします。メタルレスの単品を正規締め込みで測ります。

測定は画像の上下と左右、そして上下に対して30度左右に傾けた測定値と4か所測ります。

 

この490gの超軽量コンロッドは取り扱い注意です。ボルトの締め込みを説明書どうり潤滑油を塗り、締め付けトルクを4回に分けて徐々に締めこんで最終的に650kg/cmで仕上げ締めこみの手順を守らないと簡単に0.02mmぐらいは変形します。

 特に割の合わせ目の精度が問題で、このぎりぎりの重量では仕方ないのかもしれませんが、ARPボルトの位置決めクリアランスが少しゆるい様です。(手で入ってしまうほど緩いですが、固くすると今度は変形が出るのでしょう)

そしてすでに0.001mm単位の問題となっていますので測定器もやはり0.001mm単位のものにします。(正確には0.0001mmが必要)

 

上側が準備した0.001mまで表示のあるダイアルゲージ付きシリンダーゲージ、目盛り板の大きさも ハズキルーペ不要の特大サイズです。

 

下側は今まで使っていた40年前の中古シリンダーゲージでダイヤル目盛りは0.01mm単位となります。

メーカーは日本の最高峰ミツトヨ製

かつては測定器はカールツアイスが最高絶対的なものでしたが、昨今はそんなに差はないのではと思います。3次元測定器などは30年前はカールツアイスはミツトヨの10倍ぐらいの値段だったように記憶します。

マイクロメーターは前述の0.001mまで電子カウント目盛りがあるマイクロメーターです。

これらをエアコン環境内で1時間寝かせてから測定に入りました。

コンロッドメタル検討

以上のように測りまくってそれをエクセルでプログラム作って自動計算してメタル選定の検討をします。 

この表でわかることはコンロッド小端の1番はかなり摩耗しているんだなということです。1番はカムを回したりダイナモの偏心受けたり・オイルポンプ・デスビなどの負荷に一番近く負荷が大きいですからその影響がここにも及んでいるのかもしれません。

また、コンロッドジャーナル径の2番の+30度と-30度測定値は0.01がプラスマイナスしており平均ではokですがコンロッドキャップがずれていることを示しており余りよろしくないです。ボルト締めこみを何回かやり直したのですが変わらず、要注意点です。 

この表からすると選定メタル板厚1.505はニスモメタルの#2となります。その時のメタルクリアランスは平均では0.057と理想に近いですが少し問題が有ります。個々のメタルクリアランスで見ると1番と4番は目標値から外れています。

 

 

そこでどうするかというと

左の表のように前の表でジャーナル径0.008測定径の1番コンロッドとー0.006と最も小さいジャーナル径の4番コンロッドを入れ替えてしまいます。コンロッドは新品ですから便宜上番号を付けていますがどこに取り付けても関係はありません。

 

その結果が左の表ですがメタルクリアランスは4番が0.001mmわずかに目標値より広めですがこれがほぼベストの値と思われます。

 

結果的にはコンロッドメタルはニスモの#2メタルという結果です。

 

 

 

*これらの結果はプラスチゲージの測定結果より0.007mm大きな値となっています。


クランクメタル選定

 

コンロッドと同様にクランク大端径とクランクメインジャーナル径を測定してまとめます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

結果#1メタルだとメタルクリアランスは平均0.067mmで目標から7ミクロン広い方に外れますが、#2にすると平均で0.047mmとなり、今度は狭い方に外れます。どちらを取るかというと広い方ですね。レーシングエンジンは!


シリンダーボアの計測

 

今回シリンダーボアはダミーヘッドボーリングしていますので正確にはヘッドを取り付けて裏から測定しないと測れませんが、大変なので仮にこのまま測っています。

 機械メーカーの測定環境にかなうはずがなくあくまでも参考値程度です。つまり内径が均一かどうかそれくらいのところしか分かりません。

ピストンは290gしかない鍛造レーシングピストン。ハイトが低くほとんどお皿というイメージです。

ピストンも測っていますがこれまたいろんな補正が入っているので測定ポイントが難しく絶対値については何とも言えません。

これまた測定してピストンクリアランスを推定していしますが、最初に言ったたとおりヘッドを取り付けて測定していないのであくまでも推定値です。

 

結果ピストンクリアランスは0.076と出ました。良い値だと思います。比較しているのは太線の範囲内だけです。

 

気が付くことはシリンダーの45度方向はヘッドボルトが4隅にある関係だと思うのですが上面が89.000mm近辺に対して下側は88.96MMと0.04mm異なりますが、これがダミーヘッド分の変化量だと思いますのでこれでヘッドを組み付け締めこむとちょうど0.020mmぐらいの径に収まると思われます。ということはダミーヘッドボウリングをけちるとこの分シリンダーが歪むということですね。当然か・・・・。

 

この中でクリアランス比較できるのはシリンダー内径の左右方向とピストンのスカート下だけです。後は0.5mmもの広大な隙間があることが分かります。そのスカート部でさえある一部分がそれでも0.07mmもの隙間で動いているのですから驚きですね。ちなみにφ89のジェラルミンピストンの場合温度1度当たり2μ=0.002mm膨張しますので、仮にピストンの頭頂部のお皿部分の全体の温度が均一に260度となったとすると(260-20)×2μ=0.48mm膨らみます。このピストンの常温時の頭頂部のクリアランスは0.55mmぐらいですから260度のその状態でほぼいっぱいということですね。ちなみにほとんどのアルミ材料は680度でどろっと溶けてしまいます。スカート部は間に肉が無いので膨張はほとんど無いのでしょう。


ピストンの仕上げ

買ったまんまのピストンにはバりやピン角部が多くあります。そういうところは負荷がシビアになると破損の起点になりやすくなります。またヒートスポットにもなりかねませんのでピストンリング部以外はほとんど全周バリ取り・R付けを行います。

矢印部分に変化面がありますので大きくR取して周囲と合わせます。そこだけでなくこのスカート下部面は全周R取してゆきます。

バルブリセスの角、およびそれらが交差する中央部の仕上げ

3か所あるオイル戻し穴&%供給穴の面取り

スカート下部のRはオイル上がりに影響するので大きすぎないように注意して仕上げます。

そしてここはピストンで最もかじりやすい部分だと思いますが結構大胆にR取しました。上部につながる部分もテーパー状に仕上げています。

これは使っていたL28ノーマルピストンでスカート下部の角からかじりが発生しているのが分かります。

そこは全くR付けが見られません。

この状態でもエンジンは普通に回転はしていましたが、高回転で苦しそうに回る重い回転の感じがしました。

ピストンリングの合い口隙間を調整します。

規格は0.25~0.35

買ったまんまだと0.15くらいです。

 

画像のようにシックネスゲージで測りますがこれには少し問題が有ります。先ずシリンダーの上部と中央ではヘッドの関係で0.01mm直径が異なりますが上部の測定に対し中央部では0.01×3.14=0.03小さくなります。したがって上部で0.3狙いで良いはずです。

 もう一つの問題はシックネスゲージでは合い口が大きくなった場合は感知しにくいし、大きくなったものは元に戻せないということで慎重にやらなければなりません。トップ・セカンド・オイルが2枚で6×4=24枚やるわけですね。根気がいりますね。

こんな感じで削ってから削り口を全周バリ取りします。このリングは焼結金属の様ですが強く削るとボロボロかけてきますので注意が必要です。

 

ノーマルリングは1セット40g

 

レーシングリングは板厚が薄く1セット21gでこれだけで6セットで114gも軽くなります。フリクションを下げるためチタンコーティングしています。


2018年11月1日 ピストンの組み付け

ピストン関係の部品が仕上げが済んだのでサブアッシーします。

組みつける前に重量を測り揃えます。画像でメタルは付いていますが、ピストンピンのサークリップ2個は無い状態で1番から6番のピストン重量は890g~891g !に収まっていました。素晴らしい精度ですが、いろいろ面取りやバリ取りしたにもかかわらずこの精度、逆に言えば1gを削るのはものすごく難しいということでしょう。

 

ハカリはキッチンスケールのようなもので秤量は1g単位です。0.1g単位があればもっとかんぺきだったかもしれません。

オイルリングから組みますがタートルリアルのオイルリングは蛇腹状のものを先ず組んでから、平リングを上下2本入れます。蛇腹はT時型をしています。

 

1stリングは内側に面取りがありRマークが上、2ndは面取りなしのRマークが上でくみます。リングを広げるために画像のようなアリジゴクの口みたいな工具を使ってやりますとすんなり入ります。

 

リングの合い口を後ろ側120度で1st、2ndラップしないように組むのがセオリーですね。

ピストンのサブアッシーが完了しました。重量は913gとなりましたが、約1kgです。

こちらは純正L28エンジンのピストンコンロッドですが同等条件で1340gでした。チューニングピストンコンロッドで427g軽量化できています。6個で2562gの軽量化です。

腰下の組み付け

クランクシャフトはもう1本キー溝加工とバランス取はしてありますので、コンロッドをもう一度仮組してメタルが計算値と間違いなく合っているか最終確認をします。(今回は1か所だけ)

 

 

最初の計測値どうりプラスチゲージで0.05mmのクリアランスで確認できました。

シリンダーのジャーナル部を脱脂して親メタルの裏も脱脂してメタルを貼りますがこのメタルの裏にごく小さな粒子はもちろんのことオイルも完全に拭わないとメタルが焼き付くのでしっかりと養生します。その後メタルのすべり面側にたっぷりとオイルを塗ってからクランクを載せて、これまたジャーナルキャップを脱脂してメタルを貼ってからかぶせてクランクボルトを規定のトルクで締め込みます。今回はクランクボルトを純正M10からM12ピッチ1.5mmに拡径強化してボルトはSCM焼き入れ高強度ボルトで900kg/cmで締めこみました。シリンダーブロックは画像のブルーの2液塗料で塗っています。

以前とクランクキャップボルトを締めてない画像ですが実はこの部分にある実験的なパーツを取り付けています。実際にうまくいくかどうか確認が必要ですがここではまだ画像は伏せておきます。いずれ確認ができた時点で公開いたします。

実はこの時にこの開発部品を企画していて、L型6気筒LDクランクの振動して煽られているクランクキャップを新規開発したクランクラダー(ニックネーム イーザンラダー)で連結して箱型に補強することで主に横方向への動きを抑えることを目指して開発しています。上の画像のようにただの壁のように立っているクランクキャップと、この画像のように箱型に連結しているクランクキャップとの差は歴然としていると思います。ちなみにS20エンジンはクランクキャップを補強するためエンジンスカートに横からスラストシムをはさんでボルトでがっちり固定することで高回転に対処しています。

もう一つの特徴は全部1体のラダーにしていないで1対1セットずつの構成とすることで、自由なレイアウトを可能にしていることで、画像のように3セット完全構成とするやり方、2セットで中央部を補強する構成、一番シンプルには4番キャップのスラスト受けキャップを重点に補強するやり方等(実際にはもっといろいろ考えられる)ができる事です。これにより1体クランクラダーとした場合の重量の過大な増加を抑えられ、さらに取り付けるチューナーのアイデアで自由なバリエーションが作れます。

3セット完全構成の構成部品

6枚のイーザンラダーと強度区分13のM10高硬度ボルト12本(長さは10mm増しのL80mm)画像では6本しか映っていませんが12本です。

ボルトにセットする高強度ワッシャーは必ず純正以上を使ってください。

 

2セット構成

1セット構成

も可能です。

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ブロックを反転してピストンをピストンリングコンプレッサーで締めこんでシリンダー内へ押し込んでいきます。私はクランクの小端が下死点の状態でコンロッドを繫ぎたいので1-6 2-5 3-4のようにクランクをずらしながら3回に分けてピストンコンロッドを組んでいきます。


話があちらこちら飛びますが悪しからず。

毎日コツコツと時間を調整してできる部分をやっています。

今回はこのオイルフィルターのところの左側のボールベアリングのようなものが頭を出しているところですがこれはオイルフィルターが目づまりしたときに強制的にオイルラインにオイルを逃がすリリーフ弁でこのベアリングの後ろにクランクの5個の支持ベアリングにオイルを分配するオイル通路が横切っています。またヘッドに送るオイルもその通路とつながっています。

これをどうするかというと抜き取ってしまいます。現代でオイルフィルターが詰まるほどの粗悪オイルは無いし旧車はフィルターが詰まるほど走行しませんので。わざわざ抜く理由は画像左が抜き取ったリリーフ弁ですがこれだけの長さがあり後ろを通るφ16のオイル通路のかなりの部分を塞いでしまうのがいやだからです。見た感じでは2/3は塞いでいる感じで残りの通路でノーマルなら十分なオイル量は確保できるのでしょうがチューニングエンジンではだめです。抜き取った後は専用のプラグを打ち込んで塞ぎます。

 なんかの拍子にオイルフィルター詰まったらどうすんのと御心配の方はオイルフィルター内部にリリーフ弁が組み込まれたオイルフィルター製品が有りますのでそれを付けましょう。


オイルパンの加工

オイルパンはこの大容量アルミオイルパンを使いますが、

・アルミなので熱伝導が良くオイルを冷やしてくれる

・内部にバッフルが付いていてオイルの偏りを防ぐ

事が目的です。

 深さが深いのでその恩恵を十分に生かすためにはオイルストレーナーを延長することが効果ある様です。

これはノーマルのオイルストレーナーの網を取ったところで、これに中央に映るカラーを取り付けていきます。今回の長さは12mm延長です。ぎりぎりを狙うならまだ+5mmは伸ばせそうです。

 

ストレーナーを2個準備してそれぞれ延長分を加味して切断してそれを再度溶接する方法もある様ですが私の溶接では完全に漏れなく全周溶接してしかも絶対に折れない溶接をするほどの自信は無いのでこの方法です。これがトラブルとエンジンン全損ですからね。

 

今回の延長方法なら仮に取り付けがまずくても基本はノーマルが残りますので最悪の折れたり吸えないなどのことは防げます。

 

延長しました。材質は今回はステインレスですがどんな金属材料でもOKです。場合によってはビニールホースやゴムホースでも良いかもしれませんが取れて吸い込まれるとこれまた大事になるのでがっちりと金属で作りました。

その後元のように金属の網を取り付けます。いろんなところを探し回ってノーマルとほとんど同じ網目のものを見つけ出しました。固定は外周を6か所爪を裏側に折り返してさらにその部分を冶金的な方法で溶かして固定しています。

 

これは商品化できそうなので先ずは欲しい方いましたら販売のページからご連絡をどうぞ。


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